日本の人々は杉村太蔵のことを覚えているのだろうか。僕はここ数日、彼のことが頭から離れず、2005年に初めて彼の存在を知った時のことを詳しく思い出そうとしている。 僕は当時、デイリー・テレグラフの東京特派員だった。彼のことを耳にした瞬間、これは「記事にしたら面白いぞ」と思った。杉村が国会議員に当選したあの小泉純一郎現象に、テレグラフ編集部はいたく興味をもっていた(実際、日本人はあの奇妙な小泉ブームをどれだけ覚えているだろうかと思うことがある。だがそれはまた別の話だ)。 05年の衆議院議員選挙で自民党の比例代表名簿の下位に載っていた杉村の当選は、あらゆる合理的な予測を裏切っていた。当選それ自体は、小泉の驚くべき人気を象徴する出来事だった。だが杉村がネタとして価値があったのは、彼の当選が意外だったからではない。国会議員として手にできる特権の数々に大喜びしたからだ。 僕の記憶では、彼はJRが乗り放
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