分断される自然保護」の第1部では、Mongabayのベテラン記者ジェレミーハンスが、世界屈指の自然保護団体が選択した「新自然保護」とよばれる人間中心のアプローチと、それが地球の生命を救うのに最善の手段か否かをめぐって起きた業界の分断について分析する。現在の自然保護活動が大量絶滅に歯止めをかけられていないことに異論の余地はない。だが、進むべき道をめぐって意見は対立する。とりわけ争点となるのは、保護区の重要性と、最大級かつ最も有名な団体の活動成果だ。 2009年、フルタイムの環境ジャーナリストとして働き始めて間もないわたしは、マレーシア領ボルネオを訪れた。自然保護関係者の小グループと政府関係者と共に、丸一日かけて延々と続くアブラヤシの間を車で抜け、ようやくキナバタンガン川下流にたどり着いた。キナバタンガン野生動物保護区は、オランウータン、ゾウ、マレーグマ、ウンピョウといったボルネオの野生動物の
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