ニュンを助けて――。これは、ベトナムに暮らす技能実習生の家族から言われた言葉だ。日本の産業部門を支えつつも、相談先を持たず、孤立している技能実習生が存在し、故郷では家族がそんな技能実習生の状況に不安を募らせている。 筆者は、「孤立する技能実習生(1)”奴隷労働”でも『相談先ない』、岐阜縫製のベトナム人女性が相談できない理由」と「孤立する技能実習生(2)実習生の限られた行動範囲と支援情報の不足、「支援体制」は存在するのか?」で、岐阜県の縫製工場で働くベトナム人女性技能実習生のニュンさんの事例を取り上げ、技能実習生が相談先を持たずに外部になかなか相談できない状況について説明した。 このように日本社会で孤立しがちな技能実習生を、その家族は日本から遠く離れたベトナムで心配し、不安を抱えている。技能実習生もまた、私たちと同じようにそれぞれの人生を生きている個人であり、”顔の見えない”「入れ替え可能な