中止すれば死に直結する人工透析。中止したのは適正な行為だったのか?(GYRO PHOTOGRAPHY/アフロ) 人工透析中止は、患者の「正気」での判断だったのか?医師から患者への治療中止の選択肢提示により、治療を中止した患者が死亡するという出来事がありました。毎日新聞が2019年3月7日に第一報を報じた、重い腎臓病を持つ女性(当時44歳)に対する、公立福生病院での人工透析治療の中止です。透析治療を中止した外科医は、本人の意思を確認しており、適正な行為だとの見解です。果たしてこれは適正な行為だったのでしょうか。 まず、この出来事の経過を毎日新聞の報道から、振り返ります。 患者は、腎臓病の44歳女性。約5年間、近くの診療所(以下、近医)で透析治療を受けていた。1999年には自殺の恐れがある「抑うつ性神経症」の診断を受け、自殺未遂が過去3回。「死にたい」などの発言もあった。 (1) 2018年8