高校進学にともなう環境変化などによって、不安や抑うつの増加といった心理適応上の問題が生じる生徒がいます。この問題は「高1クライシス」と呼ばれることがあり、本邦の教育政策は中学校卒業から高校入学のギャップを少なくするよう中高一貫校の設置を推進しています。しかし、新しい学校環境への適応が求められる高校移行期は、生徒の発達にとって本当にネガティブな時期なのでしょうか? 中央大学文学研究科博士後期課程・飯村周平の共同研究の成果「「高1クライシス」のもう一つの側面―高校移行期に生じる生徒のポジティブな発達的変化―」が研究雑誌「Journal of Youth and Adolescence」に掲載されます 高1クライシスは主に高校進学に伴う環境などの変化により精神面での不調などが生じることを指しています。たとえば公立中学校から高校進学の際はそれまでの同級生とは別の高校に通うなど環境が大きく変わること