「間違っているけどわかりやすい」ものと、 「正しいけどわかりにくい」ものの勝負では、 前者を支持する人のほうが多いと思う。 だから、正しさでなく人気で勝負が決まる場合は、前者が勝つ。 正しいか、間違っているかの判断には、まず理解する必要があるが、 わかりにくいものは、普通の人間には理解できない。 最初は理解しようとしていても、途中で投げ出してしまう。 普通の人間はみな、怠け者なのだ。 この人気勝負で「間違っているけどわかりやすい」が勝った場合、 「正しいけどわかりにくい」を支持した頭のいい人たちは、 前者の支持者をバカだと非難するだろう。 しかし、「わかりやすさ」に飛びつくのは人間の本能に近い、自然な反応だと思う。 それは「美しさ」に惹かれるのに似ている。 正しさが勝つとは限らない。 「わかりやすさ」とは、それほどまでに重要なものだ。 それが勝負を決める。 勝つには、正しいだけでは足りない