安全保障関連法案が十八日に成立すれば、戦前に満州事変の発端となった一九三一年九月十八日の柳条湖(りゅうじょうこ)事件の日と重なる。法案に反対する学者の会の久保亨(とおる)信州大教授(62)=中国近現代史=は「旧日本軍が自作自演の爆破事件で自衛のためと主張して戦端を開いた日。あらためてその歴史を思い起こすべきだ」と話す。 柳条湖事件は、旧満州(中国東北部)に駐屯した関東軍(旧日本陸軍)が仕組んだ満鉄線(日本資本の鉄道)爆破を中国軍の犯行と発表。満州での軍事展開と占領の口実に利用した。「自衛権の発動」とする日本側の主張を国際連盟の調査団は否定し、日本の連盟脱退やアジア太平洋戦争にもつながった。中国では「九一八事変」と呼ばれる。 久保教授は「現実に戦闘が起きたとき、どちらがきっかけを作ったかについては軍が情報源となるため、信用できない場合が多い」と指摘。さらに「イラク戦争の根拠とされた大量破壊兵