ゲーム開発者たちの奮闘をまとめたマンガ『若ゲのいたり』(KADOKAWA)が話題だ。筆者は「最低下ネタお下劣パロディマンガ家」を名乗る田中圭一氏。ベストセラー『うつヌケ』に続き、なぜシリアスなテーマを手がけたか。田中氏に聞いた――。(後編、全2回)/聞き手・構成=的場容子 「真面目なマンガ」は裏切り行為だと思っていた ――田中さんの名刺には「最低下ネタお下劣パロディマンガ家」と書かれています。しかし最新作『若ゲのいたり』(KADOKAWA)は、ゲーム業界のマンガ版『プロジェクトX』を思わせるような、至って真面目なマンガです。近作の『うつヌケ』『ペンと箸』も真面目な内容ですが、なぜ作風が変わったのでしょうか。 それまでは自分を「お笑い芸人」だと思っていたんです。お笑い芸人がドラマで「いい脇役」をやるのを目にするたびに、「裏切り行為だ!」と思っていたぐらいなので。ただ、ほかのギャグマンガ家さん