全日本空輸(ANA)がシステム開発やデータ分析をできるIT人材の「内製」を検討し始めたのは、新型コロナウイルス禍が広まる直前の2020年初頭のことだ。同社はそれ以前から、旅客サービスや整備などをITで高度化すべく投資を進めていた。 IT人材が中途採用で十分に集まらない 例えばANAの航空便を利用する乗客とANAとの接点は1つではない。Webサイトやコールセンターで航空券を予約するところから始まり、チェックインカウンター、ラウンジ、搭乗口、機内などと、1人の乗客に向き合うANAグループのスタッフは場面ごとに入れ替わる。 カスタマージャーニー(顧客が時系列にたどるプロセス)に沿って、それぞれのスタッフが乗客の情報をシステムで共有できれば、例えば「○○様、行きの便では出発が遅れまして申し訳ありませんでした」「本日はお孫さんの誕生日のお祝いでお出かけされるのですね。すてきなご旅行になりますように」
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