世界経済の先行きは依然として不透明だ。 2018年はトランプ政権の掲げる保護主義に世界全体が引き回された印象が強い。また、全てのストーリーは米中間の対立から生じた。とくに最大の焦点は、米中貿易摩擦の行方である。12月の首脳会談で“一時休戦”の先送りとなったが、決着は予想がつかない。 そして19年の最悪のシナリオは、米中および欧州経済の同時失速の懸念である。米国の長期金利上昇が引き金となり、世界経済が大幅に下振れする可能性も出てきた。いずれにしても各シンクタンクは現時点から減速するとの見方が多い。日本の成長率も19年度にかけて減速していくことがほぼ確実の進行となっている。 米中貿易摩擦は首脳会談で決着つかず先送りに 2019年にかけての世界経済の見通しは、決して明るくない。 世界におけるGDP(注)の6割を占める米・中・欧の経済の先行きに同時失速リスクが高まっているためである。なかでも中国。