小学生のころは、給食を残してよく昼休みまで居残りさせられたものだった。 どうしてもダメだったのが、血である。パック入りの血は毎日の献立に必ず組み込まれていて、何とも逃れようがなかった。 血を飲めずに俯く私を担任が呆れて見つめているうちに、昼休みは終わる。そんなことは頻繁にあって、おかげで私は昼休みに友達と遊んだ記憶が希薄である。 給食を残した児童を拘束するのは、まったく人権を無視した扱いだと思う。実際、現在の小学校ではそんなことはほとんど行われなくなったと聞く。 担任や両親はことあるごとに、血は体にいいだの、血を飲むと背が伸びるだのと言う。しかしどうも、あのドロッとした喉越しといい、鉄臭さといい、到底受け付けられるものではなかった。 飲んだあとに口の端でパリパリに乾いて固まるのも嫌だった。 クラスのほかの子供たちが抵抗なく、むしろ美味そうにストローに吸いついているのが不思議でならなかったも