俗に言う「植物人間」「植物状態」とは、「思考や運動をつかさどる大脳皮質の働きは失われるが、呼吸や循環などの生命維持は機能している状態」のことを指す。つまり「目を開けていても、考えることはできない」とこれまでは思われてきた。 しかし最近発表された調査によって、その認識は覆されることになりそうだ。 ヒッチコックの映像で脳の働きを観察 調査を行ったのは、西オンタリオ大学の研究者チーム。16年前に医師から植物状態と診断された34歳のカナダ人に、映画界の巨匠・ヒッチコックが監督したTVドラマを見せた。 そして患者がドラマを見ている間、脳が機能している領域への血流を記録するfMRIという装置で、脳の動きをモニターした。 患者がドラマを理解している その結果、患者の脳内において、予想や興奮といった感覚の活動が起きていることが明らかになった。 また音や映像の処理に関わっている領域と同様に、高次の認識領域に