もう2ヶ月ほど前の話になるが、イチローの引退会見で特に印象深かったのは「頭を使わなくてもできてしまう野球になりつつある」という言葉と、その現状への「どうも気持ち悪い」という心境の吐露だった。 イチローが渡米した2001年と比べると、スタットキャストなどの導入で扱えるデータが爆発的に増え、MLBの野球はデータを活用したものに変わってきた。球場に設置されたカメラとレーダーで収集されたデータは各球団に平等に渡され、走攻守すべてが丸裸な状態である。むしろ以前よりも頭を使わなければ勝てない環境になっている。 膨大なデータを勝利へ結びつけるために、分析やシステム開発を専門とするスペシャリストの思考力が必要不可欠になった。 「マネー・ボール」(※1)で描かれたアスレチックスのように、GM(ゼネラルマネージャー)のビリー・ビーンが客観的な指標で選手を評価、獲得した時代と比べても、データが影響を与える範囲は
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