先月下旬、政府の拉致問題担当者の一人の意見を聴く機会があった。彼は私見だと断りつつ、拉致・核・ミサイルなど北朝鮮の諸問題を解決するには、金正恩・朝鮮労働党委員長の首をすげ替えるしかないとの考えを示した。 「米国なり、中国なりが狙撃手を送り込んで暗殺するか、工作で内部クーデターを起こさせるか…」 こう語る真剣で切実な表情を見ながら、民進党をはじめ野党の質問が閣僚の失言やスキャンダルの追及に終始し、今そこにある北朝鮮危機について、ほとんど議論されることのなかった通常国会の惨状を思った。 「使命は終わった」その後、7月2日の東京都議選では、自民党が大敗して地域政党「都民ファーストの会」が49議席を確保という大躍進を遂げた。だが、民進党は共産党の19議席の約4分の1のわずか5議席にとどまった。 「おごれる自民党への嫌悪感が充満し、安倍(晋三)政権にノーという意思表示が示された」 野田佳彦幹事長は3