2023.09.16 18:00 知られざるプレコード映画の世界(10):嘘っぽい芸術と真摯な芸術~『奇蹟の処女』(The Miracle Woman) フランク・キャプラといえば、最後のプレコード映画のうちの1本であり、スクリューボールコメディが流行るきっかけとなった『或る夜の出来事』(It Happened One Night、1934)を撮った監督として有名です。今回の連載では、キャプラの非常にプレコード的な作品を紹介しようと思います。アメリカにおけるラジオ伝道とメガチャーチを批判したバーバラ・スタンウィック主演の『奇蹟の処女』(The Miracle Woman、1931)です。 プレコード宗教映画 ヒロインであるフローレンス・ファロン(バーバラ・スタンウィック)はプロテスタントの牧師の娘ですが、父親は長年教会に尽くしたにもかかわらず、若い牧師を求める教区から無一文で追い出されるこ
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