ミュージアム研究者・小森真樹さんによる新連載「ミュージアムで迷子になる」を開始します。本連載では、2024年5月から11ヶ月、ヨーロッパとアメリカなど世界各地でおこなう小森さんのフィールドワークをもとにして、ミュージアムの営みについて辿っていきます。 ミュージアムでは古代から現代までの美術品、考古標本、動物や植物、はては人体など、さまざまなものが収集・展示されます。それらをどのように収集・展示するかの判断には、そのときどきの社会や経済、歴史、政治状況の影響があります。 ミュージアムの営みを辿ることは、私たちが生きる社会とその歴史がどのように作られているのかを考えるということです。その中に迷い込むことで、この社会の思いがけない一面を発見することができるかもしれません。 第一回は、まさに現在第60回が開催されている、世界三大芸術祭のひとつ「ヴェネツィア・ビエンナーレ」を取り上げます。国際政治の
映画「「マルタのやさしい刺繍( Die Herbstzeitlose ) 」( 2006年 ) が全国の劇場で空前の大ヒット。2007年の大阪ヨーロッパ映画祭でも上演され、老女たちのパワーをコミカルに描いた映画として話題になった。 主人公のマルタを演じたシュテファニー・グラーザーさんはスイスのエンターテインメントの大女優として70年間活躍している。 ベルン州エメンタール ( Emmental ) のとある村。夫に先立たれたマルタは死を待つばかりの余生を送っていた。ある日マルタは、3人の友だちを連れベルン市の生地屋を訪れる。若い頃ランジェリーを縫っていたマルタは、ふと思う。村にランジェリーショップを作ろうと。牧師の息子をはじめ村人たちにはそっぽを向かれ、いじめにもあうが、老女4人が力を合わせた事業は大成功。全国から注文が殺到したのだった。今年、米寿 ( 88歳 ) を迎える女優グラーザーさん
クリストファー・ノーラン監督の映画『オッペンハイマー』は劇場で繰り返し鑑賞するに値する傑作だ。映像と音響による物理学的内容の表現、複数の視点の交差、時間軸を行き来する叙述、主人公の心象の映像化など、『メメント』『インセプション』『インターステラー』『テネット』といった作品でおなじみのノーラン監督の技法にいっそう磨きがかかっている。名優が次々と登場して繰り広げる印象深い場面の数々、多数の伏線が配置された複雑な展開、『ダークナイト』にも増して深刻な問いを投げかける重厚なテーマ。これらが合わさって感覚と理知の両方を刺激し、3時間の長さでも緊迫感が続く。 この映画を観たとき、筆者は不思議な感覚に包まれた。それはまず、物理学史上のさまざまな登場人物がこのように注目を浴びている映画の中に当たり前のように登場していることだ。現代物理学史というマイナーな研究分野にいて人知れず研究しているつもりだったのに、
皆さんこんにちは。今日から『素面のダブリン市民』の連載を始めることになりました、北村紗衣です。ふだんはシェイクスピア、フェミニスト批評、舞台芸術史を研究している他、映画批評なども書いています。書肆侃侃房からは『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』を2019年に刊行し、もとになったウェブサイトwezzyの連載の一部もWeb侃づめのアーカイブにありますので、興味がある方は見て頂けますと幸いです。 『素面のダブリン市民』では、私が1年間、サバティカルで滞在することになったアイルランドのダブリンでの出来事を毎月ゆるくお話する予定です。1年間お付き合い頂けますと幸いです。どうぞよろしくお願い申し上げます。 サバティカルって何? さて、まず上の文章で出てきた「サバティカル」って何?という方も多いと思います。大学で働いたことのない方には全く馴染みのない言葉だと思います。まずはこちらから説明します。 サバティ
早稲田大学には数多くの学生サークルが存在しますが、その中にはWikipediaに関する活動を行う『早稲田Wikipedianサークル』もあります。このサークルでは学生たちが積極的に知識を広め、編集作業を通じて学内外のコミュニティに貢献しています。本記事では、彼らがどのようにしてこれらの活動を行っているかを探ります。 早稲田の多様なサークルとWikipedianサークル早稲田大学には多種多様な学生サークルが存在します。野球部やラグビー蹴球部のような名門サークルから、かくれんぼ同好会、仮面浪人・再受験交流会、といったユニークなサークルまで、さまざまな団体が思い思いの活動を展開しています。そしてもちろん、われらがウィキペディアのサークルも存在します。 ということで今回の連載では、早稲田大学在学時に私が立ち上げた「早稲田Wikipedianサークル」についてご紹介します。 早稲田Wikipedia
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