"宮崎駿ですら、金儲けは考えるし、スケジュールは守ろうとするし、映画を当てようとする。 なぜなら、スタジオジブリで一緒に働いている仲間に給料を払いたいから。 仲間にちゃんとした待遇を与えたいから。 スタジオジブリを始めた時の宮崎駿が、鈴木敏夫に出した条件がある。 それは「アニメーター全員を正社員で雇う」ということなんだ。 もともと東映の労働争議でこの業界で入ってきたバリバリの運動家だから、宮崎駿は"みんなの幸せ"を考えるわけだ。 富野由悠季はガンダムの映画を作るとき、"当てること"しか考えてない。 元・虫プロで絵コンテという技能一つでフリーになった人間だから、「当てないと次はない!」と分かっているから。 自分が今、「富野由悠季でござい!」なんて言ってられるのは、『ガンダム』で当てたからだ。 当たる映画を作らないとメジャーでいられない。 メジャーでいられなかったら、次のチャンスが与えられない