下町・東大阪の町工場「畑製作所」の職人達が借金返済のために一念発起、ロボット同士を戦わせるコンテスト(ロボコン)に挑む話題作。誰でも手軽にロボットが作れるようになりつつある今、日本の技術力を支えてきた職人の存在理由(レゾンデートル)を問う。 いきなり前言を翻すようだが、二足歩行ロボットがプラモデルのように作れるようになった今でもなお、「完全にオリジナルな」ロボット製作は難しい。それは本体設計だけでなく、その体勢を制御するコンピューターのプログラミングまで必要とする先進技術の結晶であるからだ。 優勝賞金3千万円を目当てにロボコン参加を決めた畑製作所の職人達。一からロボットを作りあげる苦心と興奮を味わえるかと思いきや、冒頭からその作り方をめぐって「全て中国に製造委託」と「部品に使う鉱石と精錬も全て純国産」という両極端な主張の対立(と言うより口論)が、延々と87ページにわたって続く。読者として不