1.概要 独立行政法人海洋研究開発機構(理事長 平 朝彦、以下「JAMSTEC」という。)の海洋・極限環境生物圏領域大河内直彦プログラムディレクターと、東京大学大気海洋研究所の塚本勝巳教授、マイク・ミラー研究員は共同で、これまで知られていなかった天然環境中におけるウナギの幼生「レプトセファルス」(※1 以下、「ウナギレプトセファルス」という。)の食性について、JAMSTECが2009年に開発したアミノ酸の窒素同位体比を用いた手法(※2)を応用し、正確な栄養段階(※3)を推定しました。 長い間謎であったウナギレプトセファルスの食性については、これまで体表栄養吸収説、マリンスノー説、オタマボヤのハウス説、ゼラチン質動物プランクトン説という4つの学説(※4)に分かれていましたが、本研究の結果は、ウナギレプトセファルスの栄養段階はかなり低いことを明確に示し(平均2.4)、マリンスノー説を支持しまし
1.概要 独立行政法人海洋研究開発機構(理事長 平 朝彦)では、文部科学省の科学研究費補助金(特別研究促進費)による「2011年東北地方太平洋沖地震に関する総合調査」の一環として、平成23年3月15日以降、東北地方太平洋沖地震の震源域で反射法地震探査、音響測深機を用いた地下構造、海底地形の調査等を継続的に実施し、その結果については随時、速報的に報告してきたところです(平成23年4月28日既報、平成23年12月2日既報)。 この度、震源域の地下構造データについて詳細な解析を行った結果、地震の発生源となった断層(地震断層)と地震履歴を残した変形構造が明らかにされ、東北地方太平洋沖地震では、地震断層の破壊が、いくつもの副次的な断層を作りながら、海側へ進み、海底に到達して止まったことが解明されました。これは、海溝型巨大地震の地震断層とその変形構造を突き止めた世界で初めての結果です。 今後、同様の変
1.概要 独立行政法人海洋研究開発機構(理事長 平 朝彦)海洋・極限環境生物圏領域の小林英城主任研究員らの研究チームは、マリアナ海溝チャレンジャー海淵の世界最深部(深度、10,900 m)に生息するヨコエビ(学名:Hirondellea gigas, 和名:カイコウオオソコエビ)の生態解明に取り組み、その食性究明において、タンパク質、脂質、多糖類などに対する分解活性を解析したところ、新規で有用性の高い消化酵素の検出及び精製に成功しました。 その結果、カイコウオオソコエビは、植物性多糖を分解するセルラーゼ、アミラーゼ、マンナナーゼ、キシラナーゼといった酵素を保持し、それら酵素の反応生産物であるグルコース、マルトース、セロビオースを大量に体内に含有しており、超深海において植物を分解、栄養としていることが明らかになりました。 また、各酵素の性質について調べたところ、これら酵素は高い反応性を有して
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