もちろんCPUの性能は、ムーアの法則で3年に4倍になるので、完成年の差は勘案しなければならないが、地球シミュレータのコストを1/5に割り引いても、TFlops単価は300万ドルと、アメリカの最新機の50倍以上である。総工費1150億円で建設される予定の京速計算機は、10PFlopsをめざしているというが、かりにそれが2010年に実現したとしても、逆にムーアの法則で割り引くと420万ドル/TF、最新機の70倍以上だ。おまけに開発期間が長すぎるので、2010年に計画どおり完成したとしても、性能は他のスパコンに負けている可能性が高い。もっとも「ベンチマークテストで世界一を取り返す」などというのは、プロジェクトの目的としてナンセンスだが。 このようにコスト・パフォーマンスが大きく違う最大の原因は、アメリカのスパコンがAMDのOpteronやIBMのPowerPCなど、普通のPCに使われるスカラー