業績低迷が続き、どん底の状況にあった日本マクドナルドホールディングス(以下、マクドナルド)。しかし、この2年ほどで急速に業績が回復しつつあるのは、みなさんご存知のことだろう。2014年にマイナス218億円の赤字を計上した純利益は、2016年に54億円の黒字転換。2013年を超える水準に急回復した。 なぜ、マクドナルドは“復活”できたのか。まずもって、マクドナルドは店舗の改装やサービスレベルの向上に徹底的に注力した。そのうえで原動力となったのが、マーケティング活動の大幅な改革。その裏には戦略的なPRの発想がある。ここでは、この4月に刊行した『戦略PR 世の中を動かす新しい6つの法則』で提示した、「6つの視点」に照らし合わせて読み解いてみよう。 まず、注目したいのは「そもそも」の要素である。社会に影響を及ぼすPRは「よくぞ言ってくれた!」という人々の潜在的な普遍性に訴えかけるものが少なくない。