リスクもリターンもない日本の書店 アップルの発表したiPadは、さまざまな話題を呼んでいる。アマゾンのKindleがハードウェアもソフトウェアも英語版しかないのに対して、アップルは日本語ホームページも立ち上げて日本で売る姿勢を見せており、3月に発売されるときは日本語表示も入力も可能だ。しかし残念ながら、日本語の本を読むことはできない。書籍ソフト「iBooks」の日本語版がないからだ。日本で発売されるiPadは、iPhoneを4倍程度に拡大したものにすぎないのである。 ただ、そのうちiBooksが出る可能性もある。今でもReaderboxというiPhone用の書籍ソフト(有料)があるので、青空文庫などの無償で配布される本は読める。問題はiPadで売れる本が出てくるかどうかだが、今のところその見通しはほとんどない。ある編集者によると「出版業界の状況は非常にきびしく、日販(大手の取次)が在庫を減