■不況の今こそ攻めの仕事 バラク・オバマ次期米大統領は、この1カ月半で全15閣僚を含む主要な政権メンバーの選定を終えた。民主党大統領候補選を激しく争ったヒラリー・クリントン氏を国務長官に指名した日に、オバマは自らのチーム論についてこう語った。 「私は、強い個性と強い意見を強く信じているから、このチームを構成した。正しい決定はそのようなチームによって下される」 短い文章の中に「strong」という単語を3回も入れて「組織の中の個」の重要性を強調した。オバマは「優秀な頭脳がチーム内で激しくぶつかり合うことではじめて難題に正しく対処できる」と信ずるリーダーなのである。 シリコンバレーには「Aクラスの人は、Aクラスの人と一緒に仕事をしたがる。Bクラスの人は、Cクラスの人を採用したがる」という成功要因をめぐる経験則がある。リーダーがオプティミズムに溢(あふ)れたビジョンを語って若者たちを鼓舞する一方