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  • 「モスクワ裁判の被告は、なぜ嘘の自白をしたのか」という謎に迫る心理劇「真昼の暗黒」 - うさるの厨二病な読書日記

    真昼の暗黒 (岩波文庫) 作者:アーサー ケストラー 発売日: 2009/08/18 メディア: 文庫 スターリンの時代に行われた、モスクワ裁判をモデルにした。 党の最高幹部であり英雄だったルバショフは、「党を裏切り、ナンバーワンの暗殺をもくろんだ」という嘘の自白をして処刑される。 ルバショフはなぜ、それまでの自分の名誉を踏みにじるようなでっち上げられた罪を認めたのか。 先日読んだ笠井潔の「テロルの現象学」で、「党派観念」の例示としてあげられていて興味を持った。 「党派観念」に基づいて生きている人間がどういう思考回路をしているか、ということが克明に語られている。 自分が一番、「こういう考え方をしているのか」とわかりやすかったのは、ルバショフがリチャードに「党」とは何かを説明するシーンだ。 党は誤謬を犯さない。(略) 私もきみも誤謬を犯すことはある。 党は違う。党はだね、同志、きみや私や、

    「モスクワ裁判の被告は、なぜ嘘の自白をしたのか」という謎に迫る心理劇「真昼の暗黒」 - うさるの厨二病な読書日記
  • 【漫画感想】人間には意味がわからない恐ろしさ「畏怖」を抱かせる傑作 中山昌亮「後遺症ラジオ」 - うさるの厨二病な読書日記

    *ネタバレがあり。 ここ最近では一番の掘り出し物だった。 自分が考えるホラーの理想形なので、ホラーが好きで読んだことがない人には推したい。できれば、多くの人に読んで欲しい。 ただ「神に憑かれる話」なので、ホラーの中でも「畏怖系」が苦手な人にはお勧めしない。 [まとめ買い] 後遺症ラジオ 作者:中山昌亮 メディア: Kindle版 山崎峰水「MAIL-メイル-」を読んで、「怪異の因果が分からないこと」がホラーの怖さの肝だと思った。 ホラーは「わからないから怖い」ものが一番面白い。 人間から見て理解できるもの、「こうだからこうなっているんだ」と説明できるものはそれほど怖くない。 訂正。怖いけれど、「理解ができない」世界をのぞいてしまったときの自分という基盤や自分が生きてきた世界が歪められるような恐怖に比べると、恐怖の質がまったく違う。 人にとって「理解できないものが最も怖い」と考えたとき、 説

    【漫画感想】人間には意味がわからない恐ろしさ「畏怖」を抱かせる傑作 中山昌亮「後遺症ラジオ」 - うさるの厨二病な読書日記
  • 自分の血肉となっているゲーム10本を全力で語りたい。 - うさるの厨二病な読書日記

    75年生まれの俺を作ったゲーム10を全力で紹介する そちらの「俺を作ったゲーム」もぜひ教えてほしい。何でもいい。 それはとりもなおさず、俺自身を紹介することとほぼ同義になるはずだから、長たらしい自己紹介とか前口上はなしで……では、参る。 おっしゃる通り、と合いの手を入れたくなる。 というわけで、自分の血肉になっているゲームを10選んでみた。選ぶのが大変だったので、選外も設けた。 ファイナルファンタジーⅡ(1988/FC/スクウェア) 「何でⅡなんだよ」という話だが、偏愛している。 矛盾や弱さを抱えたキャラクターたち、人がバタバタ死んでいくストーリー、幻想的な音楽の虜だった。 生まれて初めてその世界観に骨の髄まで魅せられてはまり込んだのが、FFⅡだった。 「ファイナルファンタジーⅡ」がこことはまったく違う別世界に連れていってくれるような感覚を与えてくれたから、その後ゲームやファンタジー

    自分の血肉となっているゲーム10本を全力で語りたい。 - うさるの厨二病な読書日記
  • 【映画感想】「翔んで埼玉」に見る「埼玉県民は埼玉を知らない」というリアリティ - うさるの厨二病な読書日記

    翔んで埼玉 発売日: 2019/09/11 メディア: Prime Video 面白かった。 無茶苦茶なコメディか、と思いきや、意外と王道のストーリー展開だった。 麗の配役にGACKTを思いついた人は天才だと思う。 一番笑ったのは流山で対峙した千葉の軍勢の中に、チーバくんとふなっしーを見つけたときだ。 ただ 「埼玉県に住んだことがある人間以外、面白いのか?」 というより、 「埼玉県の南東部に住んだことがある人間以外、面白いのか?」 と思う。 以下は映画とは余り関係ない、埼玉(南東部)出身の人間の考えたこと。 完全なるローカルネタだ。 映画でよく埼玉のことを表している、と思った部分は、埼玉の南東部が中心の話の中で西部や北部のことがほとんど触れらず、千葉や東京に焦点が当たっているところだ。 自分は埼玉の南東部出身だけれど、住んでいたときの頭の中を取り出したらこういう感じだった。 東京や千葉は頭

    【映画感想】「翔んで埼玉」に見る「埼玉県民は埼玉を知らない」というリアリティ - うさるの厨二病な読書日記
  • 「気持ち悪い」を巡る話は、理解を(一方的に)求めないものがいい。 - うさるの厨二病な読書日記

    よく似た話(自分の中で)を二作続けて読んだ。 [まとめ買い] あげくの果てのカノン 作者:米代恭 メディア: Kindle版 少女巡礼(1) (サイコミ) 作者:にしお 栞 発売日: 2019/01/30 メディア: コミック 二作とも面白かったので、「面白い漫画が読みたい」と思っている人には勧めたい。自分もこれから書く「どうも納得がいかない部分」以外は、両方とも楽しく読んだ。 特に「あげくの果てのカノン」は良かったので、興味を持った人は記事を読まずに編を読んでもらったほうがいいと思う。 ここから先は自分の(それこそ)「キモイ感性」の部分で、モヤモヤしていることについて書きたい。 自分はこの二作を「気持ち悪い」(キモイ)を巡る話として読んだ。 「気持ち悪い(キモイ)」とは何なのか、ということは「言の葉の庭」の感想で書いた。 www.saiusaruzzz.com 「気持ち悪い(キモイ)」

    「気持ち悪い」を巡る話は、理解を(一方的に)求めないものがいい。 - うさるの厨二病な読書日記
  • 村上春樹「遠い太鼓」を読んで、まだ行ったことがないイタリアのことを思う。 - うさるの厨二病な読書日記

    伊、新型コロナ死者4032人に急増 北部州は散歩やジョギング禁止 - ロイター このニュースを目にして、最初は戸外で一人で行う散歩やジョギングを禁止することに疑問を感じた。 厚生労働省が発表している通り、現段階の見解では 1.換気の悪い密閉空間 2.多数が集まる密集場所 3.間近で会話や発生をする密接場面 この三つの条件を避けることが大事であり、人と接触しないのであればある程度、動いて健康を保っていたほうが重症化するリスクが少なくなるのでは、と思う。 だが、すぐに村上春樹が「遠い太鼓」で書いていたことを思い出した。 イタリアのジョガーの第二の特徴は一人で走っている人が極端に少ないということだ。大抵何人かでつるんで走っている。(略) はじめのうちはこれが不思議でしょうがなかった。ランニングは孤独なスポーツだ、と気取るつもりはないし、べつにみんなと一緒に走ったって全然問題はないわけだけれど、し

    村上春樹「遠い太鼓」を読んで、まだ行ったことがないイタリアのことを思う。 - うさるの厨二病な読書日記
  • 「金田一少年の事件簿File2 異人館村殺人事件」を読んで、自分の「そういうもんだライン」について考える。 - うさるの厨二病な読書日記

    *この記事は、「金田一少年の事件簿File2 異人館村殺人事件」の犯人を含むネタバレが含まれています。未読のかたはご注意ください。 「金田一少年の事件簿」がFile3まで無料になっていたので、久しぶりにfile2「異人館村殺人事件」を読んでみた。 金田一少年の事件簿 File(2) (週刊少年マガジンコミックス) 作者:天樹征丸,金成陽三郎,さとうふみや 発売日: 2012/09/28 メディア: Kindle版 読んだ当初すごく引っかかった。 当時話題になったトリックの話ではなく、(漫画冒頭に注意書きが入っていた。)この話が自分の中の「そういうもんだライン」(造語)の存在を、強く意識させるからだ。 この記事では「そういうもんだライン」について話したい。 「そういうもんだライン」とは何か? 「そういうもんだライン」とは、創作において「自分の感覚では現実的ではない、そんなことはまずないだろう

    「金田一少年の事件簿File2 異人館村殺人事件」を読んで、自分の「そういうもんだライン」について考える。 - うさるの厨二病な読書日記
  • 好きな作家のおススメの作品を聞かれたときの、永遠とも思える五分間の思考。 - うさるの厨二病な読書日記

    先日、友達から 「仕事関係の人が、綾辻行人の作品を初めて読んで面白かったって言っていた。読んでみようかと思って、うさるが好きだって言っていたのを思い出した。おススメの作品ある?」 というlineがきた。 一瞬でテンションのメーターが振り切れた。 よくぞ聞いてくれた、ありがとうありがとう。 せっかく聞いてくれたんだ。 好きの熱量Maxボルテージ全開でおススメして、ドン引きされるのだけは避けなければならない。(経験則) ここは、冷静に厳正に吟味して最適解を出さなければ。 まず友達について考える。 友達をよく読むが、ほとんどが仕事関連のか実用書。 フィクションは余り読まなかった……が、頭も気持ちも動くところが好きで最近読むようになった、と言っていた。 恩田陸と有川浩が面白かったと聞いた。 ミステリーはたぶんほとんど読まない。 とすると、オーソドックスで読みやすいものがいいのでは、と思う。

    好きな作家のおススメの作品を聞かれたときの、永遠とも思える五分間の思考。 - うさるの厨二病な読書日記
  • 英国離脱の意味とEUの行く末を考える 「問題は英国ではない、EUなのだ ‐21世紀の新・国家論‐」 - うさるの厨二病な読書日記

    「ソ連の崩壊」や「アラブの春」を予見したエマニュエル・トッドが、EUの現状と今後を考えた。 問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論 (文春新書) 作者:エマニュエル・トッド 発売日: 2016/09/23 メディア: Kindle版 斜めな視線で読み出したけれど、予想に反して面白かった。著者の強い主張ではなく、現状分析の要素が強いだった。 こので自分が面白いなと思ったのは以下の部分。 その地帯の家族構成の在り方が、その国の政治体制や政治思想の方向性と重なる。 これが著者の思考の基盤になっている。 直観的に感じているものではなく、歴史や人口統計について研究する中で帰納的に見つけた法則らしい。 最初に私が解いたのは、なぜ共産主義がある国々では成功を収め、他の国々ではそうではなかったのかという問題です。「共産圏の地図」と「外婚制共同体家族の分布図」がぴたりと重なったのです。

    英国離脱の意味とEUの行く末を考える 「問題は英国ではない、EUなのだ ‐21世紀の新・国家論‐」 - うさるの厨二病な読書日記
  • 【ファイナルファンタジータクティクス】キャラについての雑談。オヴェリア&ディリータ、アルガス、ガフガリオン。 - うさるの厨二病な読書日記

    年末に「突撃軍曹」を聞きながら作業をしていたら、突然語りたくなったので話したい。 オヴェリア&ディリータの関係について この二人はお互いにそれなりに好意はあると思うのに、お互い、相手をまったく見ておらず、会話が噛み合っていないのが初プレイのときから気になっていた。 Chapter4の「ディリータの想い」で語られたディリータのオヴェリアへの想いは音だと思う。 ただなぜディリータがオヴェリアを唐突に(としか思えない)好きになったかというと、「お前は俺と同じだ」という理由がほぼすべてではと思っている。 ディリータは自分の手で「ふさわしい王国を得て、人生が光り輝く」オヴェリアを見ることによって、「人生が光り輝く自分」を確認したかった。オヴェリアはディリータにとって、「不遇な身分に生まれ人に利用され続けた自分の人生を、いかに自分の思い描いたものにできたか」を確認するための鏡だった。 ディリータもオ

    【ファイナルファンタジータクティクス】キャラについての雑談。オヴェリア&ディリータ、アルガス、ガフガリオン。 - うさるの厨二病な読書日記
  • 世界一の投資家、唯一の公認伝記「ウォーレン・バフェット伝 スノーボール」感想 - うさるの厨二病な読書日記

    文庫・スノーボール ウォーレン・バフェット伝 (改訂新版)〈上・中・下 合版〉 作者:アリス・シュローダー 出版社/メーカー: 日経済新聞出版社 発売日: 2014/12/26 メディア: Kindle版 大好きな美雪さまが目をキラキラさせて、「投資の神様」「私の憧れ、超スーパースター、いとしのバフェット様」と語っていたので興味を惹かれて読んでみた。 結果、かなり面白かったので大満足している。 読む前は「世界一の投資家」の投資の手法や業績に一番興味があったが、生い立ちや性格、交友関係などの私生活の部分も面白かった。これは筆者の力量が大きいのかもしれない。 「私の話とだれかの話がい違っているときには、恰好悪いほうの話を使ってくれ」 冒頭でバフェットが筆者にこう語っているように、「偉大な人物のきれいな偶像」を残そうとするお神輿ではない。 ここまで恵まれているように見える人でも「こんな部

    世界一の投資家、唯一の公認伝記「ウォーレン・バフェット伝 スノーボール」感想 - うさるの厨二病な読書日記
  • 「バチェラー3」が面白くていっき見したので、何の遠慮もなく感想を語りたい。 - うさるの厨二病な読書日記

    先日読んだ「バチェラー3」の感想が面白かったので、今まで興味がなかった「バチェラー」を見てみた。 バチェラー・ジャパン 予告編 メディア: Prime Video この商品を含むブログを見る あくまで「番組を見ただけの感想」「登場人物たちは、この番組内だけのキャラ」と限定して、登場人物たちの内面にも踏み込んで色々と語っている。 友永氏にかなり辛めなので注意。ネタバレしています。 「バチェラー3」の面白さは、一にも二にも「バチェラー友永氏」のキャラにある。 自分はこの人は、徹頭徹尾の嘘つきだと思って見ていた。このあたりはMCも女性たちもさんざん色々な点で指摘している。 「結婚を真剣に考えていると言いながら、結局恋愛重視」 「強い女性が好きと言いながら、強い女性を選ばない」 「『真剣に考えた』と言いながら、一か月で手のひらくるん」 「何でも言い合える間柄がいいと言いながら、自分に不意なことを

    「バチェラー3」が面白くていっき見したので、何の遠慮もなく感想を語りたい。 - うさるの厨二病な読書日記
  • 【小説考察】アガサ・クリスティ「そして誰もいなくなった」の事件と犯人を細かく検証してみた。 - うさるの厨二病な読書日記

    記事には、アガサ・クリスティ「そして誰もいなくなった」の重大なネタバレが含まれています。編未読のかたは、編から読まれることをお勧めします。 そして誰もいなくなった (クリスティー文庫) 作者: アガサ・クリスティー,青木久惠 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2012/08/01 メディア: Kindle版 購入: 1人 この商品を含むブログ (13件) を見る *文中の引用元は清水俊二訳。 青木久恵訳も参考に確認。 事件の時系列 編と告白書の検証 編と告白書を読んでの疑問 「そして誰もいなくなった」の物語内ルール 犯人の検証 ルールに基づいて、「犯人になれない人」を除外。 真犯人の検証 「そして誰もいなくなった」は、なぜこんなに面白いのか。 事件の時系列 (調べたけれどうまく貼れず……見づらかったらすみませぬ。) 編と告白書の検証 「そして誰もいなくなった」は、犯人の

    【小説考察】アガサ・クリスティ「そして誰もいなくなった」の事件と犯人を細かく検証してみた。 - うさるの厨二病な読書日記
  • 「デジタル・ミニマリスト 本当に大切なことに集中する」からデジタル断捨離について学ぶ - うさるの厨二病な読書日記

    デジタル・ミニマリスト: 当に大切なことに集中する 作者: カル・ニューポート,長場雄,佐々木典士,池田真紀子 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2019/10/03 メディア: 単行(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る 最初にこのの概要について説明すると、「すべてのデジタル、ネットワークは害悪。使うのをやめよ」という反テクノロジーを主張するではない。 日常生活や仕事を行ううえで必要不可欠なもの、緊急時に使用しなければならないものを否定しているわけではない。 この基準に従えば、仕事で利用しているテクノロジーの大部分は『必須ではない』には当てはまらない。(略) 同様に(整理の)検討の対象からはずしたほうがいいテクノロジーは、それが家族の送迎などに重要な役割を果たしているものだ。 (「デジタル・ミニマリスト 当に大切なことに集中する」 カル・ニューポート/長場雄他訳 早

    「デジタル・ミニマリスト 本当に大切なことに集中する」からデジタル断捨離について学ぶ - うさるの厨二病な読書日記
  • 家にある積みゲーの紹介。 - うさるの厨二病な読書日記

    ニコニコ動画のふぅの動画が面白かったので、真似してやってみた。 www.nicovideo.jp 任天堂switch ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド - Switch 出版社/メーカー: 任天堂 発売日: 2017/03/03 メディア: Video Game この商品を含むブログ (37件) を見る 【購入理由】 評判が良かったので、スイッチと一緒に相方が買ってきた。 【プレイ状況】 たぶん、あと何時間かやればクリアできる。 【消化意欲】 5%くらい。たぶんもうやらない。 決してつまらなくはないし、好きな人がいるのもわかるけれど、たぶん世界観やシステムや色々なものが自分と合わないのだと思う。世界観もプレイスタイルも、死んで学ぶ的な、暗くて過酷なもののほうが好きみたいだ。 「人に出会ったり何かを頼まれたらそれは裏切られるフラグ」というスカイリム的な世界観のほうが好きだし、落ち着く

  • 「ケーキの切れない非行少年たち」を読んで、昔のことを思い出す。 - うさるの厨二病な読書日記

    ホッテントリで関連する話題がいくつかあがっていたので、紹介されていた「ケーキの切れない非行少年たち」を読んでみた。 読んで昔関わりがあった人たちのことを思い出した。(当事者の情報には、かなりフェイクが入っている。) 障害や教育についての専門家でもないし、たくさんの事例に会ったわけでもない。あくまで自分が出会った人たちについての個人的な感想やそのときに考えたことだ。 大人になるまで、「軽度知的障害」または知的障害には分類されないが、普通学級での学習が困難に感じるかもしれない知的ボーダーについてまったく知らなかった。 一番初めにそのことについて考えたのは、趣味の関係で知り合ったAさんに会ったときだ。 Aさんは明るくかわいらしくよく話す人だった。ただ付き合いが長くなるうちに、だんだん「あれ?」と思うことが増えてきた。 説明するのが難しいのだが、「そんなに立ち入ったことを自分に話していいのかな?」

    「ケーキの切れない非行少年たち」を読んで、昔のことを思い出す。 - うさるの厨二病な読書日記
  • 【映画感想】「実写版デビルマン」は何がダメなのか。 - うさるの厨二病な読書日記

    デビルマン 発売日: 2015/08/01 メディア: Prime Video この商品を含むブログを見る 先日、ようやく視聴した。 これで「実写版デビルマン警察」になれる。 感想は「思ったよりは悪くなかった」 その「思った」は、今までさんざん聞いてきた「実写版デビルマン」の悪評が、脳内で悪魔合体したものだ。その悪魔合体した何かを脳内に思い浮かべて、暇なときに涼しい部屋でクーラーにあたってアイスをべ、飽きたらたまに他のことをやりながら観る分にはそれほど悪くはない。 逆を言えば、これ以外の条件で観ようとするのはおススメしない。 この映画を何の前情報もなく映画館で金と時間を費やして観た人には、かける言葉が見つからない。 自分が「実写版デビルマン」で、思ったより良かったと思った部分はふたつある。 ①話の筋は一応通っている。 漫画版を下敷きにしているので正確には「実写版」のよかった点ではないが、

    【映画感想】「実写版デビルマン」は何がダメなのか。 - うさるの厨二病な読書日記
  • モームが語る「ドストエフスキーが描く女性像は偏っている」について - うさるの厨二病な読書日記

    anond.hatelabo.jp 結論としてこうなる。Fateに感じる気持ち悪さは、那須きのこ氏が人間を描けていないからだ。 どこかで似たような話を聞いたことがあるな、と考えて、モームが「世界の十大小説」の中でドストエフスキーについて似たようなことを話していることを思い出した。 ところがドストエフスキーが作り出した人物には、そうした複雑なところが少しも見られない。 いずれも支配したいという欲求と支配されたいという欲求と、やさしさに欠けた愛と悪意に満ちた憎しみからできていて、不思議なほど人間に普通の特質を持ち合わせていない。持っているのは情熱だけで、自制心もなければ自尊心もない。 その悪の能は、教育によっても、人生体験によっても、あるいは不面目なことをしないように私たちを引きとどめている対面というものによっても、和らげられることが少しもない。 そうしたところから、常識からすると、彼の描く

    モームが語る「ドストエフスキーが描く女性像は偏っている」について - うさるの厨二病な読書日記
  • 死んだ同級生の話。 - うさるの厨二病な読書日記

    人から聞いた話。 近所のコンビニの駐車場で、久しぶりに中学時代の同級生と再会した。 同級生に気づいたのは、こちらの顔をじっと見つめてきたからだ。 最初は「変な奴だな、人の顔をじろじろ見て」と思ったが、よく見たら知っている奴だった。 「久しぶり、元気?」 僕が声をかけると、彼は目を見開いた。 何と言おうか迷っている感じだったので、僕は続けた。 「中学校以来だね。そういえばお前と仲が良かった……」 名前が思い出せない。 「ええと、あいつも元気?」 彼は僕をじっと見ていたが、やがてぽつりとつぶやいた。 「死んだよ」 「え?」 「死んだよ」 余りにびっくりしすぎて、頭が真っ白になった。 「何で…? 事故?」 「いや……知らない」 「いつ?」 「わからない」 彼は僕から目をそらすと「もう帰らないと」と言いながら、その場から離れた。 別の日に中学時代の別の友人に会った。 「それって、能戸井の話?」 「

    死んだ同級生の話。 - うさるの厨二病な読書日記
  • 村上春樹・柴田元幸「本当の翻訳の話をしよう」を読んで、黒原敏行の翻訳にだいぶお世話になっていることに気づいた。 - うさるの厨二病な読書日記

    当の翻訳の話をしよう 作者: 村上春樹,柴田元幸 出版社/メーカー: スイッチパブリッシング 発売日: 2019/05/09 メディア: 単行 この商品を含むブログを見る 村上春樹と柴田元幸の翻訳についてのを読むのは、「翻訳夜話」「翻訳夜話2 サリンジャー戦記」「翻訳(ほとんど)全仕事」に続いて四冊目だ。 マニアックすぎてついていけない部分もあるけれど、不思議と内容がよくわからなくても面白い。 「現代アメリカ文学で翻訳してほしいもの、復刊してほしいもの」なんてまったくわからないのだが、著者二人が楽しそうに話しているのを聞いていると「読んでみたい」と思うから不思議だ。 コーマック・マッカーシーの「ザ・ロード」を読んでみようと思ったのは、「当の翻訳の話をしよう」を読んだからだ。 村上 『大陸漂流』もいいし、好きなのいっぱいあるんだけどなあ…。Rule of the Boneもいいですよ

    村上春樹・柴田元幸「本当の翻訳の話をしよう」を読んで、黒原敏行の翻訳にだいぶお世話になっていることに気づいた。 - うさるの厨二病な読書日記