オックスフォードからこんにちは! 前回の記事では、「エビデンスに基づく教育」に関して、エビデンスの階層性・レベル(LOE)という概念を紹介しつつ、精緻な因果推論を行う上でランダム化比較試験(RCT)が一つの有用なアプローチであることを確認しました。同時に、 「RCTによって得られたデータこそが理想的なエビデンス」と簡単に考えてしまうことに対する危機意識から、RCTも常に「理想的」というわけではないこと、他方で「信頼性が低い」と思われがちな記述的なデータなども有用なエビデンスになり得ることを、一般論として指摘しました。そこで今回は、「どのような観点から考えると、RCTの結果は理想的なエビデンスと言える/言えないのか」という点を特に意識しながら、エビデンスの有用性を判断する際の視点を考えていきたいと思います。 1.RCTが「得意な問題」とは 前回の記事でも触れたように、RCTに関する技術的・倫
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