「冷戦やりなおし」の時代 平成が始まったころにささやかれた、「冷戦に勝ったのは日本だ」というアメリカン・ジョークをご記憶でしょうか。レーガン政権下の軍拡で米国がソ連を打ち負かしたのに、同国の市場は日本車などのメイド・イン・ジャパンが席巻。なんのために戦ったのかわかんないよ、という趣旨です。 平成元年にしてベルリンの壁崩壊の年である1989年の日本は、バブルがピークアウト寸前の「景気が良すぎる」状態でした。貿易赤字削減のため、強すぎる輸出国・日本に対しアメリカは執拗な「日米構造協議」を要求。いまトランプ大統領と習近平主席のあいだで展開中の「米中貿易戦争」が、当時は日米間であったのだといえば雰囲気が伝わるかと思います。 そのトランプ氏は2018年10月、レーガン時代の遺産であるINF(中距離核戦力)全廃条約を破棄する意向を表明して物議をかもしました。日本や中国、あるいはロシア(旧ソ連)に油揚げ
![平成の終わりは、昭和末期の「劣化コピー」である〜ループする衰亡史(與那覇 潤) | 現代新書 | 講談社(1/4)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/134b61ceb6918eff49aa8a00ff34f6b281af84fb/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fgendai-m.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F9%2F2%2F1200m%2Fimg_92bf230612106fd49bb0f3c31d0e538f61917.jpg)