政府もメディアも実は見通していた「人口減少社会」 成長幻想から脱皮し世界最先端の「超高齢社会」を目指せ 原真人 朝日新聞 編集委員 コロナ禍のもとで結婚や出産が減っているという。たびかさなる緊急事態宣言、ソーシャルディスタンスが当たり前の社会となれば、デートなど易々とできないし、まして結婚へのハードルはかなり高い。これでは少子化や人口減少にますます拍車がかからないだろうか。人口問題のプロフェッショナルである国立社会保障・人口問題研究所の林玲子・副所長とともに、コロナショックがもたらす人口動態への影響とその歴史的な意味について考えてみた。 コロナ禍で出産も結婚も減った 昨年来、世界中で出生数が急減している。もちろん日本も例外ではない。厚生労働省の人口動態統計速報によると、今年2月の出生数は5万9789人で前年同月比10.3%減。妊娠届出数は2020年10月が7万4993件で、前年同月より6.