聴講:知覚の哲学(6/5/2012) カテゴリ: 勉強記録 知覚の哲学 引き続き志向説が話題。だんだんとこの立場の巧妙さが飲み込めてきた気がする。 今回は、高階の志向説と一階の志向説の分類、および知覚内容の立場について概観するというもの。 【高階の志向説と一階の志向説】 志向説は現象的性格をもつ経験をもつこと、いわば意識することをどのように説明するかで立場が分けられる。意識とは知覚体験の心的状態について反省されている状態だと考えるのが高階の志向説higher order intentionalism (意識の高階モニタリング概念を使用した志向説)であり、そのような反省なしに知覚体験の心的状態そのものが意識することだとみなすのが一階の志向説である。たとえば一階の志向説では「赤いりんごを見ている」という心的状態そのものが意識状態だとされるが、高階の志向説は「赤いりんごを見ていることを信じる」と