“Bit Players” 2014 Greg Egan 短編。SFマガジン2014年7月号収載。 地球の重力が東向きに変化してしまったという〈大災厄〉により崩壊してしまった世界。 目覚めたばかりの主人公が、重力がいったいどのように働いているか、といったことなどを理論的に考察し始めるところが『白熱光』を彷彿とさせる。だからまたあのようなハードSF路線なのかなと思っていると、唐突に世界の正体が告げられて、まったく別の方向へ話が進んでいく。 (ほぼ冒頭といってもいい7ページ目で明らかになることではあるけれども、一応、以下は核心部に触れた内容) 1. ゲストをもてなすためのAIということでまず想起するのは、飛浩隆の『数値海岸』。 『数値海岸』のAIたちは、その出自上、物語にまみれ先天的に運命を背負わされてしまってるような存在だけど、『端役』のキャラクターたちはもっと自由意志を享受してて、露骨に反