佐藤 靖, 2014: NASA — 宇宙開発の60年 (中公新書 2271)。中央公論新社, 282 pp. ISBN 978-4-12-102271-4. (この読書メモは書評でも内容紹介でもなく、これを読んだ機会にわたしが思いあたったことの覚え書きである。) 1980年から気象学を専門とし、とくに大気・水圏のエネルギーと水の循環を扱ってきたわたしにとって、NASAとのかかわりはずっと続いている。また、人工衛星という技術の始まりについて読んだので、NASAの発足のいきさつについてもいちおう読んだ。しかし、そのように始まったNASAと、わたしの知っているNASAとがどうつながっているのかをよく理解してこなかった。NASAについて書かれた本は(英語ならば)たくさんありすぎて、どれを読んだらよいのかわからないのだった。科学史を専攻した佐藤氏が博士論文をもとに日本語で2007年に出した本の存在