生物はなぜ誕生したのか 生命の起源と進化の最新科学 作者: ピーター・ウォード,ジョゼフ・カーシュヴィンク出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2016/04/08メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る 本書は地球環境と大進化のパターンについて探求している古生物学者ピーター・ウォードとスノーボール・アースを発見・提唱したことで知られる地球物理学者のジョゼフ・カーシェヴィンクによる地球史と生物進化史の関連を総説した本だ.環境条件については温度,大気成分(酸素,二酸化炭素,さらに硫化水素)が重要視されている.また大絶滅についても半数以上の大絶滅は隕石衝突ではなく温室効果絶滅であると論じていて読み応えがある.この分野ではニック・レーンが酸素濃度と進化について本を出しているし,ウォードの前著もやはりそれをテーマにしているが,より包括的に,そして全地球史的に扱っていて充実している.