本書は、文学研究者を中心とした書き手による、大衆文化論集である。前半は、宮崎駿、ガンダムなどの大衆文化を論じ、後半は、東浩紀やゼロ年代批評など、柄谷行人以降の批評の動向を論じている。 趣意書にはこうある。「思想や文学の言論は文芸評論がその代表としてその役割を担ってきたが、一方で、その言説は文学研究で培われてきた研究成果がきちんと参照されてきたとは言いがたい。特にゼロ年代以降(中略)両者の乖離は広がるばかりである。(中略)文学研究の蓄積を踏まえない批評の言説と、安易にそうした言説に依存する文学研究の側の問題を相対視し、また文化を文学研究という一つの方法を用いて研究することの用いる射程」を検討する、とある(強調引用者)。 ゼロ年代批評に影響を受け、一〇年代以降に政治的な大衆文化批評を行い、研究にも少し関わっているぼくは、この本のターゲットに近いと思う。それで、趣意書の問題意識を真剣に受け取った
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