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ブックマーク / dokushojin.com (3)

  • 分析美学基本論文集 書評|西村 清和(勁草書房)|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」

    「分析美学」とは、分析哲学に対応する仕方で主として英語圏においてこの半世紀ほど展開してきた新潮流の美学であるが、これまで日において十分議論の対象とされてきたとはいえない。書は、分析系の理論を駆使して日の美学研究を牽引してきた西村清和自身が編纂し、主に若い研究者に声をかけて翻訳したもので、分析美学の発展において時代を画したと目される九の論文が大きく四つの主題の下に収められている。 第一章は芸術の定義をめぐる論文二からなる。さまざまなイズムの提唱された二〇世紀は、従来の芸術の定義を逸脱する作品を次々に生み出し、そのために「なぜこれが芸術なのか」という(以前にはありえなかった)問いがしばしば提起された。アーサー・ダントーの論文「アートワールド」は、芸術作品をその他のものから区別するのは知覚的特徴ではなく「芸術のある特定の理論」「芸術の歴史についての知識」であるという画期的な命題を提起す

    分析美学基本論文集 書評|西村 清和(勁草書房)|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
    sakstyle
    sakstyle 2018/06/22
    “評者:小田部 胤久”
  • 動物の賢さがわかるほど人間は賢いのか 書評|フランス・ドゥ・ヴァール(紀伊國屋書店)|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」

    書には、ヒト以外の動物の認知(知性や知能と言いかえてもいいかもしれない)に関する最新の成果が、豊富な逸話や研究事例とともにまとめられている。サル、鳥、犬、魚、タコといった動物たちが、じつはどれだけ賢かったのかが、いきいきと描き出されている。別な個体は好物のブドウを報酬としてもらっているのに、自分はキュウリしかもらえないことに気づくと癇癪をおこすフサオマキザル。自分しかアクセスできない場所にある餌を横取りされないために、他個体を欺くチンパンジーやカラス。巣作りに使われる枝を鼻先に浮かべて、それを取りにきた鳥を捕するワニ。動物の認知に関する最新の研究状況が概観できるだけでなく、こうした事例の数々は、読み物としても非常におもしろい。 しかし、内容は単なる事例の列挙にとどまらない。書は、そうした成果を生み出す研究という営みにも着目し、動物の認知に関して、「人間が評価し、試験している」点に注意

    動物の賢さがわかるほど人間は賢いのか 書評|フランス・ドゥ・ヴァール(紀伊國屋書店)|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
    sakstyle
    sakstyle 2017/12/06
    サル、鳥、犬、魚、タコなど「動物の認知に関する最新の研究状況」だけでなく、他の動物の知能を「人間が評価し、試験している」ことについて注意を促す
  • 文学研究から現代日本の批評を考える 批評・小説・ポップカルチャーをめぐって 書評|西田谷 洋(ひつじ書房)|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」

    書は、文学研究者を中心とした書き手による、大衆文化論集である。前半は、宮崎駿、ガンダムなどの大衆文化を論じ、後半は、東浩紀やゼロ年代批評など、柄谷行人以降の批評の動向を論じている。 趣意書にはこうある。「思想や文学の言論は文芸評論がその代表としてその役割を担ってきたが、一方で、その言説は文学研究で培われてきた研究成果がきちんと参照されてきたとは言いがたい。特にゼロ年代以降(中略)両者の乖離は広がるばかりである。(中略)文学研究の蓄積を踏まえない批評の言説と、安易にそうした言説に依存する文学研究の側の問題を相対視し、また文化を文学研究という一つの方法を用いて研究することの用いる射程」を検討する、とある(強調引用者)。 ゼロ年代批評に影響を受け、一〇年代以降に政治的な大衆文化批評を行い、研究にも少し関わっているぼくは、こののターゲットに近いと思う。それで、趣意書の問題意識を真剣に受け取った

    文学研究から現代日本の批評を考える 批評・小説・ポップカルチャーをめぐって 書評|西田谷 洋(ひつじ書房)|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
    sakstyle
    sakstyle 2017/07/06
    藤田さんの書評
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