NASAの探査機による12年間のミッションでは、パトロクルスとメノエティウスの連星系など、木星軌道で7つの小惑星の探査が実施される。これにより人類は謎に包まれた木星トロヤ群の姿を初めて垣間見ることができる。(MONICA SERRANO AND RONALD PANIAGUA) 木星の軌道に、まだだれも近くで観測したことがない小惑星の大集団がある。そこには、太陽系誕生の貴重な秘密が隠されているという。 米国時間10月16日に打ち上げられたNASAの新たな探査機「ルーシー」は、木星トロヤ群と呼ばれるこれらの小惑星群の観測を目指している。12年間、64億キロにおよぶ旅のなかで、木星を先導する位置と追随する位置にある2つのトロヤ群に順に向かい、7つの小惑星を接近通過(フライバイ)する(木星軌道に達する前に、トロヤ群でない小惑星1つにも接近する)。 「ルーシーはこれまで探査されたことのない太陽系内