2億3000万年前、現在のジンバブエ北部にあたる地域を流れていた網目状の河川系に、竜脚類の遠い祖先が生息していた。ムビレサウルス・ラーティ(Mbiresaurus raathi)と命名されたこの恐竜の骨は、アフリカ最古の恐竜化石だ。(ILLUSTRATION BY ANDREY ATUCHIN) アフリカ南部のジンバブエで、三畳紀にあたる約2億3000万年前の恐竜の化石が発見された。骨格は驚くほど完全に近く残っていたうえ、アフリカで発見された恐竜の化石の中では最も古い。2022年8月31日付けで学術誌「ネイチャー」に発表された。 この恐竜は、竜脚類の最古の祖先の1つだという。竜脚類は長い首をもつ恐竜で、ブラキオサウルスやブロントサウルスなどが有名だ。陸上を歩いた動物の中では地球史上最も大きく、体重が60トン以上になるものもいた。しかし、今回発見された竜脚類の祖先は、死んだ時点でほぼ成熟して