この間のお休みに上野の東京都美術館で開催されている『デ・キリコ展』を観に行きました。 ジョルジョ・デ・キリコ、大好きな画家なんですよ。1888年、イタリア人父母の元でギリシャで生まれたキリコは、エルンストやマグリット、ダリらと並ぶいわゆるシュルレアリズム絵画の画家ということができるでしょう。最初に出会ったキリコの絵は『通りの神秘と憂鬱』(1941)という作品でした。 《通りの神秘と憂鬱》1941年 ※参考作品です。今回の美術展には展示されていません! 中学生ごろ、美術の教科書で見たのでしょう。夏の昼下がりを思わせる強烈な日差しと影とのコントラスト、ほとんど黒に近い青空、遠くまで続く長い長い建物、土埃の匂いがしそうな黄色い通り、その中を自転車の車輪を回して遊ぶ少女のシルエットと、建物の影に建つ誰とも知れぬ者の長い影。パースも消失点も正確ではなく、不安定で、どこか夢の中のような、孤独と郷愁と永
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