「日印新時代の始まり。歴史的な首脳会談となった」——。安倍晋三首相は記者会見の壇上で誇らしげに語った。 日本とインドは12月12日の首脳会談で、インドの高速鉄道案件において日本の新幹線方式を採用することで合意した。受注確実といわれたインドネシアの高速鉄道案件を土壇場で中国にさらわれた日本政府としても、一矢報いた格好だ。 今回、日本が受注するのは、インドに複数ある高速鉄道計画のうち、インド最大の都市ムンバイと工業都市アーメダバードを結ぶ、約500キロメートルのルート。最高速度は時速320キロメートルで、所要時間は現在の約8時間から2時間程度へ大幅に短縮される。 鉄道網の近代化を政策に掲げるナレンドラ・モディ首相にとって、アーメダバードはかつて行政トップを務めたグジャラート州の主要都市。今回のルートは、高速鉄道時代の幕開けを飾るのにふさわしい路線といえる。 当初はフランスが先行していた 受注に