ある学生の問い 私は、現在総合心理学部という学部で教鞭をとっており、将来の心理専門職を目指す学生のためのいくつかのカリキュラムを担当している。そのうちの一つは「医学総論/人体の構造と機能および疾病」と題された半年間15回にわたる講義だ。 驚かれることもあるが、この講義の一回(90分)を「医学の歴史」にあてている。 心理専門職(公認心理師)の国家試験に医学の歴史がそのまま出題されるわけではないけれど、学生には単に解剖学や生理学の知識を丸暗記するのではなく、医学や医療行為を支えている世界観や価値観や倫理といった根本的な側面に少しでも触れてもらい、それを将来の実践や研究に活かしてほしいと思っているからだ。 このカリキュラムでは毎回の講義のあとで学生にミニ・レポートを提出してもらっているが、先日、以下のような趣旨の感想と質問が記載されたレポートが届いた。それは、最近話題になった「血液クレンジング」