当選3期、政治家としての初の試練であった。巨大組織・農協の改革を行おうとした“将来の総理候補”小泉進次郎衆院議員(35)。しかし、彼がまとめた農業改革案は失敗に終わった。とはいえ、官邸や党内から批判の声は皆無なのだ。 *** 「一言で振り返ると、“負けて勝つ”ですかね」 11月25日、自民党農林部会長の進次郎議員は農業改革案をまとめた後、憔悴しきった顔でこう語った。農水省担当記者が解説する。 「今年の8月、部会長を続投となった彼にとって、最大の仕事が農業改革案をまとめあげることでした。かねてから、“改革の本丸は全農”とし、相当な意気込みを持っていました。しかし、蓋を開ければ、骨抜きと言っていい内容。これで、農協が改革できるとはとても思えません。完敗ですよ」 改革への風向きが変わったのは、11月11日のこと。 「同じく農協改革を議論していた政府の規制改革推進会議が提言をまとめたの