今月下旬に開かれるJR東海のリニア中央新幹線構想を審議する国土交通省の交通政策審議会中央新幹線小委員会で、東京−名古屋間のルート選定について、同社が希望する南アルプスを貫く直線ルート(Cルート)を優位とする試算が報告されることが十三日、分かった。 JR東海は、三案あるルートの中でCルートが最も走行距離が短く、輸送需要量や建設費の面で「現実的」と主張し、独自の試算を示している。こうした費用対効果の優位性が、国交相の諮問機関である委員会の次回会合で追認されることとなり、焦点だったルートがCルートで決着する公算が大きくなった。 ルート問題では長野県内で、Cルートと伊那谷を通るBルートとの間で意見が分かれていた。しかし、同県の村井仁前知事は六月の委員会で「中立公正な立場で十分に審議してほしい」と述べて特定ルートの要望を避け、選定を委員会に委ねる考えを示した。