どんなコラム? 職業は科学ライターだけど、毎日お買い物をし、家族の食事を作る生活者、消費者でもあります。多角的な視点で食の課題に迫ります プロフィール 京都大学大学院農学研究科修士課程修了後、新聞記者勤務10年を経て2000年からフリーランスの科学ライターとして活動 ● 農水省批判への違和感 私が原稿を書く時に強く意識していることの一つに、「後からなら簡単に指摘できるミスをあげつらい、実行者を批判するような原稿は書かない」ということがある。行われたことに対して本質的な批判をすることはあっても、傍観し伝えるものは「実行への尊敬」を忘れてはならない。 だから、牛肉のセシウム汚染に対する「国はけしからん」「農水省はとんでもない」というマスメディアや県の批判には、違和感を感じる。 たしかに、農水省が3月19日に出した文書には、「家畜に放射性物質がかかった牧草、乾草、サイレージなどの飼料を与えること