失火とみられた民家火災が、実は保険金目的の放火事件だった-。40年以上にわたり、保険金受給に絡む不正を調べてきた福岡市の損害保険調査員、寺町達雄さん(80)が、今月いっぱいで経営する調査会社を閉鎖し、第一線を退く。隠れた事実を掘り起こし、警察が動いたこともたびたびで、刑事、民事の裁判まで進んだ事件は100件近い。「世の中を正しくしたいという思いだけでやってきた」と振り返る。 40年近く前、福岡都市圏で起きたパチンコ店の火災。出火時に人はおらず、一見すると失火だが…。寺町さんが現場を訪れると、途中まで燃えた蚊取り線香が落ちていた。「時間稼ぎの時限発火装置ではないか」。寺町さんの読み通り、火災保険狙いの放火事件と判明し、容疑者の男が逮捕。有罪判決が確定した。 寺町さんはもともと縫製作業所を経営していたが、体調を崩し閉鎖。2年間療養した後に、新聞の募集広告で見つけたのが調査員の仕事だった。1
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