今年1月13日午前の官房長官記者会見で、菅義偉内閣官房長官はこう述べた。 「本日の閣議で決定した最高裁判事の人事について申し上げます。最高裁判所判事、櫻井龍子及び大橋正春の両名が定年退官をされることに伴い、その後任として、弁護士・早稲田大学大学院教授、山口厚氏及び元英国駐箚特命全権大使、林景一氏を最高裁判事に任命することを決定をいたしました」 15名の最高裁裁判官の出身枠は、職業裁判官6、弁護士4、学識経験者5と慣例的に決まっている。櫻井氏は学識経験者枠(行政官出身)、大橋氏は弁護士出身なので、この2件の人事で出身枠比率は維持されたように見える。 最高裁裁判官の定年退官日は70歳の誕生日1日前である。そこから逆算して、後任人事は進められる。弁護士枠の場合、日本弁護士連合会(以下、日弁連)は「日本弁護士連合会が推薦する最高裁判所裁判官候補者の選考に関する運用基準」を定めている。日弁連は昨年1