展示された平光吾一氏の「獄中日記」=福岡市中央区の東野産婦人科で2015年7月28日午後4時4分、尾垣和幸撮影 [拡大写真] 太平洋戦争末期の1945年、旧九州帝国大(現九州大)で発生した「九大生体解剖事件」の資料が、福岡市中央区の医院「東野産婦人科」に並んでいる。捕虜の米兵8人が「実験手術」と称して殺され、軍や大学関係者23人が戦犯として裁かれた事件。当時、医学生として手術に立ち会った同医院の会長、東野(とうの)利夫さん(89)が「戦後70年を機に、改めて戦争が生み出す愚劣さを伝えるべきと思った」と自ら集めた資料などを初めて展示した。【尾垣和幸】 資料は東野さんが米国立公文書館などから収集した。犠牲となった米兵の写真や裁判記録のほか、手術が行われた解剖実習室の外観や手術台の写真など約40点が並ぶ。当時九州帝大の解剖学教授で、軍事裁判で重労働25年の判決を受け9年6月で出所した平光(ひら
「魔女」という言葉ほど、人にそれぞれのイメージを喚起させる言葉はない気がする。ある人にとっては戦う美少女であったり、またある人にとってはしわしわの怪しげな老婆であったり、どこか色っぽい存在であったり……。 私が魔女と聞いて思い出すのは、マラソン大会に張り切って参加した知人が、魔女のコスプレをしたおばさんの参加者に軽々と抜かれて圧倒的な敗北感を味わったという、どうでもいい話であるが、それはさておき、常に人々のイメージの源泉であり続ける魔女という存在に、大々的にスポットを当てた展覧会が大阪で始まる。 【魔女にスポットを当てた日本初の大規模展示会】 それは、「魔女の秘密展 ~ベールに包まれた美と異端の真実~」という展覧会で、魔女をテーマにしたここまで大規模な展覧会が開かれるのは日本初の試みだそう。 およそ100点にもなる展示品の数々は、ドイツ「プファルツ歴史博物館」「ローテンブルク中世犯罪博物館
12月14日、20歳のアダム・ランザは自宅のベッドで寝ている自分の母親を銃で殺害したあと車でコネチカット州ニュータウンの小学校にいって、自宅から持参した二丁の拳銃と一丁のアサルトライフルで5〜10歳の児童20名と教職員6名の命を奪い、自らの命も絶った。銃乱射事件が多いアメリカでも歴代第二位となる死傷者数、しかも大半が児童ということもあり、事件は全米の注目を集めた。 オバマ大統領は涙ながらに銃規制の見直しを語り、いつも銃規制に反対しているロビー団体NRA(全米ライフル協会)は「悪いのは銃じゃなくてメディアやゲーム。銃を持った悪人を止められるのは銃を持った善人だけなので、学校に銃を持った警察官を配置するべき」と発表してひんしゅくを買った。こんな騒ぎのなかで、思いもよらないとばっちりを食った人たちがいる。「プレッパーズ」という人たちだ。 プレッパーズとは、世界の終わりに備えて、水や食糧を貯め込ん
幼少期に、生頼範義と石原豪人のどちらを好きだったか? その選択によってその後の人生が決まってしまうのではないか、と思うほどに、この二人の絵は強烈な印象を放ち、昭和生れの少年少女たちの胸を熱くした。 生憎、わたしは11歳のときにジャガーバックスの『いちばんくわしい日本妖怪図鑑』を買ってしまったので、石原豪人が得意とする艶かしく猥雑としたカルチャーの方を追いかけるようになった。 その影響もあって、生頼範義の主戦場であるSFの世界に足を踏み入れるのは、少しばかり出遅れた。 オバケだの肌色だのオカルトだのに興味をもっていたわたしが、最初にその“絵”と接触したのはいつか、いまでも覚えている。『月刊ムー 創刊号』(1979年11月)の表紙だ。 オーライ、オーライ、よし覚えた! それ以来「オーライノリヨシ」という言葉は、ものすごい絵を描く人の名前として、わたしの頭に強烈に刻み込まれた。 ひとたびその存在
80年代ロボットアニメの金字塔、『装甲騎兵ボトムズ』がパチンコになった。これを記念して、いまならGyao!でテレビシリーズ全52話を無料で観られるという。 無料で! 凄い時代になったものだ(視界の隅にある全話収録のDVDボックスから必死で目を背けながら)。 『ボトムズ』といったら30年前のちょっと変わった、やけに渋いテレビアニメというのが世間的な印象だろう。何かコーヒーが苦いとか、そういうやつでしょうと。 確かに『ボトムズ』は変わっていた。主人公は極めて無口な帰還兵で、これが4メートルのいかにも兵器然としたロボットを乗り捨てながら荒廃した世界を右往左往する。ただ、そういうオフビートさ、当時のロボットアニメ番組の定型を破ってみせたことだけが偉いんじゃないんですね。 そういう表層の奥に、非常に硬質なドラマがあった。実に暑苦しいドラマが。 主人公キリコ18歳は退役軍人で神経を病んでいる。何があ
太平洋の奥底に開いた海溝、そこから突如現れた巨大怪獣の群れ。大都市をブッ壊して荒れ狂う怪獣たちと戦うため、人類は〈イェーガー〉と呼ばれるロボットを開発した。 環太平洋諸国(パシフィック・リム)がそれぞれの威信をかけたイェーガー軍団と、ビルよりデカいモンスターの群れが、いま人類の命運をかけて激突する! 巨大怪獣と巨大ロボット。それぞれ単体でも銭が取れる題材だ。これらを同じ映画にブチ込んだらどうなるか。例えるならば、みんなの大好きなカレーの上にみんなの大好きなハンバーグがドンと載っているようなものだ。恐ろしいのはそのハンバーグカレーが開幕早々出てくるということ。前述のような物語の設定は冒頭のナレーションでさっさと処理される。 いつ怪獣やロボが出てくるかと気を揉む必要はない。いきなり出てくる! しかもその後130分の上映時間、そんな大バトルがこれでもかと描かれる。ハンバーグカレーおかわりである。
年内は無い、絶対に無いからっ! とほとんどのメディアで念を押されていた感のある総選挙がまさかの12月告示になってしまいましたが、みなさまいかがお過ごしですか? 私の住んでいる場所では知事選まで入り、考えることが山積みで恐ろしい限りでございます。だが、ちゃんと選挙は行こうな、諸君! 思えば1月前にはアメリカ合衆国の大統領選挙が真っ盛りで、バラク・オバマの民主党政権はどうなるのかと見守っていたわけである。2009年に大統領に就任したオバマは、ブッシュJrの時代の負債を背負わされ、医療政策改革には保守層からの猛反発があり、しかも人種や出自についての根も葉もないデマを流され、とのっけから問題山積みで、大丈夫? おなか痛くならない? と要らぬ心配までしたくなったものだ(そういえば安倍晋三氏のおなかは大丈夫なんですかね)。よく再選を果たした、と感心させられる。 アメリカ在住のコラムニスト、町山智浩の『
橋本愛主演の映画『アナザー Another』の特別試写会が学生200人を招待して7月25日(水)に都内で開催され、上映後にサプライズで行われた舞台挨拶に主題歌「楽園」を歌う加藤ミリヤと古澤健監督が登壇。加藤さんは生歌を披露した。 これまでアニメ化、漫画化されてきた綾辻行人の人気小説「Another」(角川文庫刊)を実写化。ある地方都市の学校を舞台にひとりの美少女にまつわる“タブー”が破られたことにより、次々と起こる奇妙な事件の謎が描かれる。 加藤さんは主題歌のオファーを受けて映画を鑑賞したそうだが、「ホラー映画で面白いと思ったのは初めてでした。いろんな仕掛けがあり、瞬きするのが惜しいくらい。最初から最後まで楽しみました」と大絶賛。改めて「映画で自分の曲を使ってもらえるなんて、こんなに嬉しいことはないです」と喜びを語った。 古澤監督は以前の監督作『オトシモノ』でも加藤さんに楽曲を依頼している
いやあ、東京スカイツリー、とうとう完成したねえ! 背の高さでも人気の面でも後輩に追い抜かれちまって、先輩の東京タワーは真っ赤ンなって怒ってるらしいって、もっぱらの評判だよ。 なんで東京タワーがあるのに新しくこんな塔をおっ建てたのかっていうと、ようするに東京タワーのある周辺はもう超高層ビルだらけで、せっかくタワー先輩が電波をビンビンに飛ばしても、届きにくくなっちゃったらしいんだな。だから、高層ビルの少ない地域に新しくタワーを建てたい、ってのが理由のひとつ。 他にも、最近はワンセグだのマルチメディア放送だのといったケータイ機器向けの放送がいろいろ出てきてるんで、それを見やすくするって理由もあるらしい。まあ、細かいことはおれにはワカンネ。 それはともかく、完成したならとりあえずは見物してみるか、と思うのは当たり前。でも、いきなり行っても登らしちゃくれないんだよね。だってまだ開業してないんだもん。
とある漫画の単行本が一冊。その表紙カバーの中央に、ダダダダダダダダッと針で突いたような無数の穴。カバーをめくると、針は中の頁にまで突き通っていて、紙は破れ、ところどころちぎれている。 何かの怨みを晴らしたのか、あるいは呪いを込めているのか、とにかく薄気味がわるい。おまけにその漫画というのが、よりによって怪奇漫画の巨匠、日野日出志の『まだらの卵』だったりするのだから、始末に負えない。 いきなり極端な例が出てきてびっくりさせられるが、この本は古書店の棚などに並ぶ古本から、「書き込み」や「貼り込み」や「切り抜き」、あるいは「針の穴」のような、前の持ち主の“痕跡”が残っている本──すなわち痕跡本を集めて、それらの痕跡から元の持ち主の行動や、その痕跡の意味を解読してみせる図鑑だ。 わたしも古書マニアなので、書き込みがされた本を見かける機会は多い。なかには、弁当の箸袋がしおり代わりに挟まれていたり、表
『古本道入門 買うたのしみ、売るよろこび』という非常にわかりやすいタイトルの本書は、サブタイトルにもある通り古本を「買うたのしみ、売るよろこび」について書かれたものだ。著者は神保町系ライターとして知られる岡崎武志。 おそらく著書のなかで書名に「古本」と付くものの割合が日本一多い作家なのではあるまいか。 古本マニアが「古本を買うたのしみ」について書いた本は多い。古書店主が「古本を売るよろこび」について書いた本も多い。けれど、その両方について一人の著者が書いたものというのは、他ではちょっと見当たらない。 たとえば、第1章で古本屋の利用の仕方について説明する際にも、客はどんな心得で店と接するべきか、店主はどんな心構えで客を見ているのか、その両面から語られていたりする。結果としてそれが古本屋という空間を立体的に感じさせてくれ、まさに古本道の入門書として、理想的な効果を発揮している。 第3章では、古
後編は男性読者にとってちょっと耳の痛い話から……。 ――『アラサーちゃん』には男の言動が女性から呆れられる話がけっこう出てきますね。男性読者は「俺が気が利いてると思って言ってたことは、実はこういう風に見られていたのか!」ってショックを受けるかもしれません。文系くん、オラオラくん、大衆くん、ゆとりくん、脱オタくんという5人の男性キャラクターが登場しますが、誰が読者には多そうですか。 峰 自称文系くんの大衆くんですかね。 ――でしょうね(笑)。 峰 でも別に男の人は、この漫画を読んで自分の今までの発言を見直したところで、何も変わらないと思うんです。だから男の人に「これがダメだからこうしなさい」っていうのはやろうと思わないですね。ただ、私が可愛いものをみていたいって欲望がすごくあります。それは「わかりやすい可愛さ」じゃない方が良いというか…。 ――わかりやすいっていうのは、どういう感じですか?
それが何なのか気になったので、インタビューを敢行しました。峰さん、ご協力ありがとう! 前後編に分けてお届けします。 ――エキレビでとみさわ昭仁さんが書いてましたけど、線がいいですよね。ジョージ秋山さんみたいで、肉感的です。 峰 ありがとうございます! 私はGペンの強弱を結構つけるようにしていて、そこは昔っぽいのかなー、と。最近の人はあまり強弱をつけないんですけど、私はそちらの方が好きなんです。 ――完全なアナログ描きなんですか? 峰 線だけアナログで描いて、それをスキャンしてからデジタルで処理しています。線が良いと褒められることが多いので、デジタルでやってしまうと感じが変わっちゃうかなと思って。あとは、昔から漫画家に対する憧れがとても大きいので、Gペンを使うこととかにこだわりもあります。 ――あ、もともと漫画家志望でしたか。 峰 小学生の頃は少女漫画家になりたかったんです。漫画を描き始めた
先頃単行本が発売になったばかりの漫画『アラサーちゃん』がおもしろい。ネットではすでに話題を集めていて、そのおもしろさがどんどん口コミでひろがっているのだが、一般の漫画雑誌に掲載されている作品ではないから、それなりに漫画好きを自任する人でも意外と知らないかもしれない。 なので、あらためて説明させていただこう。 作者の名前は峰なゆか。AV女優みたいな名前だなー、と思った人は勘がいい。日本テレビのトーク番組「恋のから騒ぎ」への出演で注目を集めたのち、バスト93cm、ウェスト59cm、ヒップ91cmという脅威のボディサイズを武器にAVデビューを果たした美女だ。AVは2009年に引退して(今年の5月に少しだけ復活したが)、現在は“元AV女優”のライターとして活躍している。 彼女の思考の深さとそれを表現する文章のうまさは、ブログ「峰なゆかのひみつの赤ちゃんルーム」で十分うかがうことができる。 が、彼女
詩人・歌人として、あるいは劇団「天井桟敷」の主宰者として演劇や映像の分野でも独特の活動を展開した寺山修司。その代表的な著書『書を捨てよ、町へ出よう』には「歩兵の思想」と題するエッセイが収録されている。 この文章のなかで寺山は、サラリーマンの種類を「ライスカレー人間」と「ラーメン人間」に分け、前者には《現状維持型の保守派が多くて》、後者には《欲求不満型の革新派が多い》としている。その理由を《ライスカレーは家庭の味であるのにくらべて、ラーメンは街の味であるからかもしれない》と書き、さらにライスカレー人間を保守的なマイホーム人間として強く罵倒しているのが、いかにも「町へ出よう」と生涯かけて訴え続けた寺山らしい。 寺山が先のエッセイを書いたのは高度成長期。この時代、ラーメンはハングリー精神の象徴であった。マンガ家の松本零士は上京当初の下宿生活の経験をもとに『男おいどん』という作品を発表、そこでは作
赤とピンクのグッズで覆い尽くされた部屋の中央で、全身を赤とピンクに彩ったひとが、メモをとるこちらの指先をじーっと見ている。今風に言うなら“ロリータファッション”ということになるのだろうけれど、こちらを見つめているその顔は、少女のそれではない。 わたしはいま、不思議な状況におかれている──。 君は原宿の歩行者天国や中野あたりの路上で、真っ赤なフリフリのドレスを着た中年男性を見かけたことはないだろうか? 茶色いカーリーヘアーは見るからにカツラ。銀の丸メガネの奥に光る目には、ドばっちりのアイライン。背中にはピンクのランドセル。けっこう堅太りした体躯でありながら、ランドセルのサイズが子供用なので、肩にかけたベルトはギッチギチに締まり、図らずもボンデージみたいになっちゃっている。 ずいぶん、トウのたった竹の子族だなあ、なんて思っていると、それは大きな間違いだ。 胸につけた名札(ドリフの小学校コントみ
たとえば、往年の特撮ドラマが映画化されるとして、それが「仮面ライダー」だったり「ウルトラマン」だったりするのなら、世代を超えて注目も浴びるだろう。ところが、そこまでメジャーでない作品が原作となると、うまくすればマニアの支持を集めるかもしれないが、大半はそれほどの注目も浴びずに終わってしまう。 オタク文化は日本が世界に誇るコンテンツ……とかなんとか言ってみたところで、やはり世間一般はオタク文化の上っ面にしか興味がないからだ。 そして「電人ザボーガー」は、お世辞にもメジャーとは言い難い作品だ。むしろマニア向け。マニア向けと評されるのは、オタク方面にとっては少しも悪口ではないが、商業的にはあまり歓迎されたことではない。「東映~!」とか、「円谷~!」とか、「石ノ森~!」とかだったら世間への通りもいいのだが、「ピープロ~」では、普通の人の心にはちょっと届きにくい。 だから、「電人ザボーガー」が映画化
自意識過剰な時代。誰もが自分のことをしゃべりたがっている。誰もが自分のことについて聞かれたがっている。そして、誰もが誰かのことを知りたがっている……ってことはないな。どこの誰かもわからない人間のことは、別に知りたくはない。でも、知りたいひとがいるなら、聞くことができる。そんな気持ちに応えるように開発されたのが、新しいネットサービスの「ザ・インタビューズ(THE INTERVIEWS)」だ。 インタビューというのは、著名な作家やタレントなどに対して、雑誌の記者やテレビのレポーターなどがするもの、とこれまでは相場が決まっていた。ところが、誰もが自由に質問したり質問を受けたりできるということで、「ザ・インタビューズ」は登場するなりあっという間に話題になり、どんどこ利用者が増えている。 新しいネットサービスはとりあえず試してみる派のわたしも、さっそくアカウントを登録してみた。質問の回答を見るだけな
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