国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)が、武田薬品工業など国内製薬企業17社の「社外秘」のデータを使い、新薬の候補物質を効率よく探す人工知能(AI)の開発に乗り出した。これほど多くの製薬企業がデータを持ち寄り、創薬のためのAIを共同開発することは、世界でも例がないという。欧米のメガファーマ(巨大製薬企業)に対抗するため、オールジャパンで創薬を加速させる。 【写真】ワクチンで「黒幕が人類管理」「人口削減が狙い」 基礎研究などで薬になりそうな物質が見つかっても、そのまま薬になることはほとんどない。化学物質は、分子の構造がわずかに違うだけでも、性質が大きく異なることがあるからだ。 製薬企業はまず、分子構造がよく似た多数の物質を設計し、薬効や毒性、体内での吸収効率など十数項目の試験を重ね、候補物質を絞り込んでいく。「最適化」と呼ばれ、各社の研究員らが経験や勘に基づいて数年間かけて実施する