「保守に知恵があった」。きのうの朝、TBS系の「サンデーモーニング」で、コメンテーターたちが、橋本龍太郎元首相をたたえていた。 ▼沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場の返還で、米国との合意にこぎつけた橋本氏は、何度も当時の沖縄県知事と会談した。それに比べて、翁長雄志知事と会わない安倍晋三首相には、知恵がない、というのだ。 ▼橋本氏の功績を認めるのにやぶさかではない。ただ、平成8年3月に中国が台湾周辺にミサイルを発射した、台湾海峡危機の要因も大きかった。沖縄の戦略的重要性と日米同盟強化の必要性が、両国で再認識されたからだ。それには沖縄県民の基地への理解が欠かせない。 ▼合意から19年たった今、中国の軍事的脅威は、飛躍的に高まっている。にもかかわらず、名護市辺野古への移設をめぐって、政府と翁長氏との対立は深まるばかりだ。移設問題をこじらせた張本人は、「最低でも県外」の無責任発言の鳩山由紀夫元首相で