眠気、怠惰、疲れ。これらは時として僕らの体と心に重くのしかかり、全く身動きを取れなくさせる。落ちる瞼は万有引力の権化として視界を遮り、萎えた足は錨として僕をソファに布団に縛り付ける。だが髪の毛にはワックス。頭皮には皮脂。肌は日中の汗と汚れでべたつき、顔は脂にまみれ、何歩刻んだかわからない足は疲労物質が溜まり、つま先は臭い。空腹に負けて食べたよくわからない料理はテーブルに出しっぱなし、日中の弁当は流しにたまっている。帰宅直後の僕は多重債務を抱えながらも全く返済能力を持たないクズと化す。 そこで必要になってくるのが、「今やらないと面倒なことはすぐやる力」である。「後回ししない力」「克己心」とも言い換えられるかもしれない。 この力が強い人間は、多分何をやらせても強い。面倒くささを回避するために面倒くさいに立ち向かうヒーローだ。今寝てもどうせ明日の朝には片づけなければいけないなら、今片づけてしまっ