空き家をめぐるビジネスが広がりをみせている。警備会社や不動産会社が管理を代行するほか、独自に改装することを認めて賃貸する大家もいる。高齢化や人口減少で都市部でも空き家が増えるなか、地域の安全を守ることにもつながる取り組みだ。 「劣化遅らせたい」 見回り代行を依頼 千葉県御宿町の住宅街。一軒の空き家に警備大手「綜合警備保障(ALSOK)」の警備員が入っていく。窓と雨戸を開けて換気し、台所や浴室の蛇口から水を出す。チェックリストを見ながら「異状なし」と確認した。 同社は2012年から空き家巡回サービスを手がけている。遠方に住むなど管理が難しい所有者に代わって見回りをし、写真や報告書をメールで送る。侵入者の警報装置をつけるといった基本料金は月5千円で、換気や通水で屋内をチェックするのには1回5千円という設定だ。 空き家は横浜市の会社員男性(48)が所有する。12年に住んでいた両親が亡くなり、男性