政府は二十日、除染費用三兆六千億円を全額、国の負担とするなど新たな東京電力への支援策を正式決定した。除染費用の大部分に政府が保有する東電株の売却益を充て、東電の負担分を最終的にゼロとする仕組み。だが、政府のもくろみ通りに東電株が値上がりしなければ、追加の国民負担につながる恐れがある。 (桐山純平、岸本拓也) 東電への新たな支援策の柱は、賠償や除染の資金支援枠を現行の五兆円から九兆円に拡大した上で、除染費用に関しては全面的に国が負担する。 茂木敏充(もてぎとしみつ)経済産業相は二十日の会見で「前(民主党)政権では、すべて東電に押しつける形で対策が後手に回っていた」と国が前面に出る理由を強調した。 除染費用のうち、放射性物質で汚染された土壌を保管する「中間貯蔵施設」の建設費用は一兆一千億円を見込む。その費用は、電気料金の一部が原資となっているエネルギー対策特別会計から三十年かけて充てる。 残り