75歳以上は自らの生死を選択できる――。もし、高齢者が国の支援制度によって「安らかな死」を選べるとしたら、当事者や社会はどう受け止めるのか。究極の問いを投げかける衝撃の映画『PLAN 75』が、2022年のカンヌ国際映画祭「ある視点」部門に正式出品され、新人監督に贈られるカメラドールの特別表彰を受けました。監督・脚本を務めたのは早川千絵さん。なぜこの映画を作ろうと思ったのか、製作のきっかけや思いについて聞きました。 (上)長生きするのは罪か?75歳以上が自ら生死を選べる社会 ←今回はココ (下)早川千絵 育児、会社勤め…回り道して40代で映画監督 「社会が不寛容になっていく…」抱いた危機感 編集部(以下、略) 少子高齢化が加速する中、国が75歳以上の高齢者に生死の選択権を与える「プラン75」という制度を施行した――。映画の中での架空の制度ですが、この先ないとも言いきれない絶妙なリアリティー